設備が小名浜港で組み立てられ、本県沖に設置される予定となっています。
実証研究事業終了後は、福島県沖に民間主導による本格的な風力発電市場を形成し、日本における風力 発電の拠点化をめざすこととしており、地元漁業者の理解や小名浜港インフラ整備、経済性の確保という 課題を克服することができれば、事業化に伴う関連産業の集積や新規雇用の創出を図ることができるもの と期待されます。
② 復興交付金事業で地域集会施設を整備
東日本大震災により改築を必要とする地域集会施設につ いては、復興交付金事業の基幹事業である木質バイオマス 施設等緊急整備事業を活用し、市立集会所として整備を進 めており、現在、永崎集会所ほか8施設が完成しています。
(写真6-(6)-2)
今後、岩間集会所ほか3施設についても、復興交付金事業 を活用した整備を計画しています。(表6-(6)-1)
なお、木質バイオマス施設等緊急整備事業の採択要件は、
福島県産材を建物1㎡あたり、0.22㎥以上使用することとなっています。
■表6-(6)-1 集会所の供用開始
集会所名 供用開始時期 集会所名 供用開始時期 集会所名 供用開始時期
永崎 平25.12.1 後田 平26.3.1 金ケ沢(久之浜) 区画整理に併せ
関田(勿来) 平25.12.1 折戸 平26.7.14 豊間(平) 区画整理に併せ 四倉13区 平25.12.1 折松(遠野・上根本) 平26.7.14 薄磯(平) 区画整理に併せ 金坂(内郷) 平25.12.1 本町(四倉) 平26.8.18
中好間 平25.12.1 岩間 区画整理に併せ
(7) 既存地域産業の再生
① 回復基調であるものの、まだ厳しい観光業の再生
本市の観光交流人口については、東日本大震災前の平成22(2010)年には約1,074万人を数えましたが、 平成23(2011)年は約368万人まで落ち込みました。平成25(2013)年には約789万人と、震災前に比べて7 割強まで回復しました。このうち、市内観光の宿泊者についても、平成22年には約98万人で、昨年は約 77万人と、8割弱まで回復しました。
しかし、施設によって回復の差が大きく、また宿泊者のなかには復興に係る作業員も含まれており、地 域全体としてみると、風評払拭、観光業の再生には至っていないのが現状です。(図6-(7)-1)
■写真6-(6)-2 折戸集会所の鍵引き渡し式 〔平成26(2014) 年7月 いわき市撮影〕
■図6-(7)-1 いわき市における 観光客数などの推移
※観光交流人口=観光の入込客数 に、文化交流やスポーツ大会時な どの人数を加えたもの。
0 200 400 600 800 1000 1200 [ 万人 ]
観光交流人口 観光客数
(県外)
(県内)
宿泊者数
■ 平成 22 年
■ 平成 23 年
■ 平成 24 年
■ 平成 25 年 368 1074
734 788
203 760
489 540
115 411
299322
88 319 191218 51 98
7177
② 「いわき見える化プロジェクト」の取り組み
市は、農林水産業及び観光業における原発事故に伴う風評の払拭を図るため「いわき見える化プロジェ クト」を展開し、農林水産業や観光業の従事者をはじめ、農協、漁協および(一社)いわき観光まちづく りビューローなどの関係機関・団体と連携を図りながら、農林水産物や観光などのPRを行っています。 具体的には、さまざまな広報媒体を活用した本市産農林水産物や観光の情報発信、首都圏量販店におけ る農産物の販売、消費者を対象に本市の現状や取り組みを実際に見ていただくバスツアーの開催など。い ずれも消費者自身に安全・安心を判断していただくための正しい情報、ありのままの「いわき」の“今”を 情報発信するとともに、市内外の小売・流通業者などとの連携による販路拡大にも努めています。 震災後4年目の取り組みとしては、モニタリングをはじめ、複合的な事業展開を継続しながら、「おい しいから、いわき産を選ぶ。」をテー
マに、消費者自ら、本市産農産物の魅 力をより多くの方に発信していただく
「いわき野菜アンバサダー」を募集し、 市や生産者、関係機関・団体などから の発信だけでなく、第三者の声を顕在 化させるための仕組みづくりを進めて います。
また、本市の沿岸海域においては、 平成25(2013)年10月に魚種と海域を 限定した試験操業が開始され、安全性 を最優先とし、段階的に対象魚種や海 域を拡大し、県内の市場に加えて平成 26(2014)年5月には、東京の築地市場 へも出荷されています。
市では生産者による検査体制と本市の魚介類の安全性を知っていただくため、漁業関係者とともに築地 市場を訪問するなど、放射性物質の検査結果などのデータと併せ、本市水産業の現状を積極的に発信しな がら、風評の払拭と消費拡大に取り組んでいます。(写真6-(7)-1)
③ 漁業の試験操業と本格的な操業に向けた取り組み
本市の沿岸海域においては、原発事故発生以降、操業自粛を余儀なくされていますが、県などが実施し ているモニタリング調査の結果を踏まえ、安全性が確認された魚種を選定し、平成25(2013)年10月18日 から小規模な操業と販売を試験的に行い、流通先の確保と出荷先での評価を調査し、福島県の漁業再開に 向けた基礎情報を得ることを目的とした試験操業が開始されました。
開始当初は、対象魚種16魚種、海域150m以深でありましたが、県などの調査結果を踏まえ、徐々に対 象魚種と海域を拡大しています。出荷先もいわき市中央卸売市場を含む県内4市場から仙台、水戸に続き 東京・築地市場へと増やしており、今後も、安全性を
最優先に対象魚種や海域、出荷先を拡大しながら、本 格的な漁業再開に向けて試験操業が進められることに なっています。(写真6-(7)-2)
④ 新たな観光誘客策を推進
ア 効果的な誘客策や首都圏情報発信など
市は平成24(2012)年度から、団体旅行をターゲッ トとして旅行エージェントのノウハウなどを活かした 効果的な誘客に取り組む「旅行商品販売促進支援事業」 および個人手配旅行をターゲットとしてネットクーポ
■写真6-(7)-1 東京築地へも出荷〔平成26(2014)9月 いわき市撮影〕
■写真6-(7)-2 試験操業で水揚されたヤナギムシガレイを出荷
ンを活用した「宿泊旅行促進事業」を展開しており、平成24年度、平成25(2013)年度はそれぞれ約3万 人の観光客を誘致しました。
また、風評払拭とともに新生「いわき」の魅力を発信し、首都圏をはじめ全国からの誘客につなげるた め、観光プロモーションを展開するなど、観光PRを積極的に行い観光交流人口の回復に努めています。 平成26(2014)年度についても、引き続き同様の事業を展開するとともに、常磐線の品川駅乗入れを機 に東京以西からの誘客を目指し、横浜市営地下鉄などにおいて広告掲出を行うなど、さらなる観光誘客の 拡大を図っています。
イ 今後の取り組み
今後も、市は首都圏における観光PR、物産 品などの販売を通じた観光誘客、大規模イベ ント(「いわきサンシャインマラソン」など) の開催、大規模会議や教育旅行の誘致、ふく しまデスティネーションキャンペーン本番に 向けた取り組み、また、市内を一つの博覧会 場に見立て、さまざまな観光資源を組み合わ せて旅行者に提供する「(仮称)いわきサンシャ イン博」の検討など、市内観光関連事業者と 連携し、更なる観光誘客に取り組みます。 このうち、大規模会議の誘致としては、平
成27(2015)年5月22日、23日、本市に太平洋の島国な ど18 ヵ国の首脳などを招いて、県内初の国際首脳会議
「第7回太平洋・島サミット」を開催する予定であり、 本市の安全性や魅力を国内外に発信し、国際的な知名度 の向上と観光交流人口の増大を目指して、官民一体と なって取り組むこととしています。
これら事業などのPRについて、IWAKI観光大使見習 いに就任した「フラおじさん」などを活用し、効果的な 情報発信に努めていきます。(写真6-(7)-3、4)
(8) 企業誘致対策
① さまざまな復興特区制度を活用
本市の経済をさらに活性化させるため、市は企業誘致に積極的に取り組むとともに、復興特区制度を有 効に活用して、税制上の優遇制度や各種規制緩和を講じるなど、企業の安定経営と企業の新たな立地を促 す仕組みづくりに取り組むこととしています。
国の認定を受けた特区の内容は、次のとおりです。
ア ふくしま医療関連産業復興特区(平成24年3月認定)-県単独申請・県内全域対象
イ ふくしま産業復興投資促進特区(平成24年4月認定、平成25年8月、農林水産業について追加認定) -県と本市を含む県内59市町村の共同申請により、市内では360件(298事業者)が指定(平成27 年1月31日現在)を受けています。
ウ 県保健・医療・福祉復興推進特区(平成24年4月認定)-県単独申請・県内全域対象 エ 県確定拠出年金復興特区(平成24年8月認定)-県と本市を含む県内59市町村の共同申請
■写真6-(7)-4 人気のフラおじさん〔平成25(2013)8月 いわき市撮影〕
■写真6-(7)-3 市復興祈願土俵入〔平成26(2014)8月 いわき 市撮影〕
■写真6-(7)-4 第56回紅白歌合戦で東北6県のゆるキャラが応援 〔平成26(2014)12月 いわき市撮影〕
オ サンシャイン観光推進特区(平成24年11月認定)-本市単独申請。対象とする業種は8業種で、52 事業者59件(平成27年1月31日現在)が指定を受けました。
カ 復興特区支援利子補給金関係(平成25年2月・11月、平成26年6月・10月、平成27年1月認定)-本 市単独申請
② ふくしま産業復興企業立地補助金
県の「ふくしま産業復興企業立地補助金」については、平成26(2014)年12月末日現在、市内で76件が 採択を受けており、新規雇用者数は966人(計画値)となっています。
これら特区と補助金の優遇措置を併せて活用することにより、企業の新・増設を促し、被災された方な どの雇用につながるものと期待されています。
(9) 被災他自治体との連携強化
① 原発避難者の受け入れと市外避難者への支援
ア 市が「原発避難者特例法」に基づく「指定市町村」へ
平成23(2011)年8月12日、「原発避難者特例法」が公布され、同日に施行されました。目的としては、 〔1〕市町村の区域外に避難している住民(避難住民)に対する適切な行政サービスの提供
〔2〕住所を移転した住民と元の地方自治体との関係の維持
という二つの課題に対応する措置を定めたもので、双葉郡のほか、いわき市など県内13市町村が指定さ れました。これら市町村から住民票を異動せずに避難している住民を受け入れた場合は、避難者に対する 一定の行政サービスについて、提供が義務づけられており、避難者は避難先自治体から行政サービスを受 けることができます。
いわき市の場合は、市民が関東圏を中心に市 外へ避難している一方で、多くの避難者を受け 入れる立場ともなっており、このことが他市町 村と大きく異なる状況を呈しています。
イ 情報発信や交流会への職員派遣など、市外 避難者への支援
市は平成23(2011)年12月、「原発避難者特例 法」に基づき、「いわき市特定住所移転者に係る 申出に関する条例」を制定し、市外への避難者 に対して、一日も早くふるさと「いわき」へ戻っ てもらうことを目的として、県事業「ふるさと ふくしま帰還支援事業」を活用し、広報いわき、 放射線量測定結果、除染の取組状況など、いわ き市の情報を毎月郵送しているほか、避難先自 治体や避難者支援団体等が開催する避難者交流 会へ職員を派遣し、現在のいわき市の状況につ いての情報提供や、相談業務を実施しています。
(写真6-(9)-1)
これら情報発信などのほか、本市の食品の検 査体制、健康管理など安全安心に向けた取組み の結果、住民票を異動せずに市外に避難してい るいわき市民(原発避難者特例法の避難住民)
2,970 2,748
2,521
2,397
2,235
1,942 1,739
1,552
0 1,000 2,000 3,000
9/30 12/31 5/1 8/1 12/1
4/1 9/1
1/1
平成24年 平成25年 平成26年
(人)
『いわき市民 の避難先』
合計1,552人 平成27年1月1日現在
関東地方 1,029
(66.3%) 中部地方
303
(19.5%)
東京都 504
(32.5%)
その他 525
(33.8%) 東北地方
80
(5.2%)
その他 140 (9.09%)
■図6-(9)-1 いわき市民の市外避難者数と避難先
は、平成24(2012)年3月31日には4,243人を数えまし たが、その後は減少で推移し、平成27(2015)年1月1 日には1,552人となりました。
避難先の内訳でみると、関東地方が66.3%を占め、 とりわけ東京都は関東地方の約49.0%、全体のなか でも約32.5%を占めています。(図6-(9)-1)
② 双葉郡町村との共栄をめざして
ア 双葉郡の町出先機関がいわき市に設置
福島第一原子力発電所の事故により、法的に居住で きない区域などを持つ双葉郡内の町村では、多くの住 民がいわき市内に建設された応急仮設住宅や民間借上
げ住宅に入居していることから、行政の出先機関が市内の各所に出張所や連絡事務所などを設けて町民な どの便宜を図っています。
イ 応急仮設住宅から復興公営住宅へ
応急仮設住宅(建設主体=福島県)は、市内で津波被害を受けた沿岸地域に住む住民のためだけでなく、 福島第一原子力発電所の事故によって、双葉郡からいわき市へ避難した多くの住民(広野町、楢葉町、大 熊町、富岡町、双葉町、川内村の5町1村)のために、相次いで市内各所に建設されましたが、早期に避 難者が安心して生活できる環境づくりのため、平成25(2013)年11月には、県営による復興公営住宅の起 工式が現地の小名浜地区で行われており、ほかにも常磐地区、平八幡小路地区で工事が始まるなど、市内 の17の候補地で復興公営住宅の整備が進められています。(表6-(9)-1)
■表 6-(9)-1 復興公営住宅の整備予定 区分
地区 所在地
整備主体 戸数 住居形態 富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 4町共通割振り戸数
平 平八幡小路地区 県 12戸 集合住宅 12
平赤井地区 県 80戸 集合住宅 30 50
小名浜
小名浜、永崎地区 県 200戸 集合住宅 80 35 25 60
小名浜大原地区 県 50戸 集合住宅 10 40
泉町本谷地区 県 250戸 集合住宅 100 20 130
鹿島町地区 県 30戸 集合住宅 未定
鹿島町2地区 県 68戸 集合住宅 未定
勿来 勿来酒井地区 県 200戸 木造戸建て および
集合住宅 190 10
常磐
常磐地区 県 50戸 集合住宅 50
常磐2地区 県 150戸 集合住宅 100 50
常磐関船町地区 県 25戸 集合住宅 未定
内郷 内郷宮町地区 県 70戸 集合住宅 70
四倉 四倉地区 県 150戸 集合住宅 50 100
小川
小川地区 県 53戸 木造2階建 53
小川2地区 県 50戸 木造戸建て 50
小川3地区 県 30戸 木造戸建て 30
好間 北好間中川原地区 県 300戸 集合住宅 120 150 20 10
合計 ― 1,768戸 ― 460 275 215 430 265
■写真 6-(9)-1 秋田県秋田市で開催された避難者交流会でいわ き市の状況を報告 〔平成 26(2014) 年 9 月 いわき市撮影〕
ウ 町外コミュニティの協議
居住を制限された双葉郡の町村などからは多くの住民が避難し、市内への避難者数(原発避難者特例法 の避難住民数)は平成24年(2012)年1月31日には2万人を超え、現在は約2万4,000人が居住しています。
(図6-(9)-2)
このように、多くの避難者を受け入れていることから、市は国に対し避難者の受け入れ側としての特殊 な状況を考慮するよう、要請しました。
このうち、財政支援については、避難者1人当たりの標準的な受け入れ経費として、標準的な行政経費 を積み重ねた単価が年間約4万2,000円と算定され、避難者数に応じて国からの特別交付税を得ることと なりました。
また、長期避難者などの生活拠点として整備する「町外コミュニティ」については、浪江、双葉、大熊、 富岡の4町が「いわき市」を対象に希望しています。
具体的な町外コミュニティのあり方については、受入自治体の事情に応じた生活拠点の確保・整備につ いて検討する「長期避難者等の生活拠点の検討のための個別協議」(国・県・避難元4町・本市)などに おいて協議を進めています。
エ 双葉郡8町村との合同要望
平成26(2014)年6月2日、多くの避難 者を受け入れていることに伴う本市の課 題について共通理解を深め、連携して解 決を図ることを目的に、市長と双葉郡8 町村長との意見交換会を開催しました。 この会議で、市の現状について共通理 解が深められ、同月30日、会議で話し 合われた課題を解決するため、初めて、 双葉郡8町村(双葉地方町村会)と合同 で、首相官邸ほか関係省庁へ、次のよう な内容の要望活動を実施しました。(写
真6-(9)-2) ■写真6-(9)-2 首相官邸で行われた双葉郡8町村(双葉地方町村会)との合同要望
〔平成26(2014)年6月 いわき市撮影〕 注)1 避難住民=住民票を異動していない避難者(原発避難者特例法上の用語)
2 12市町村=原発避難者特例法の指定市町村(本市を含め13の市町村) 3 4町=町外コミュニティを検討する4町(浪江町、双葉町、大熊町、富岡町)
24,136 23,793
22,759 20,622
19,553
10,408 10,214
12,190
13,595 14,170 14,308
9,828 10,198
10,569 10,138
9,415 25000 23000 21000 19000 17000 15000 13000 11000 9000 7000 5000
平成24年1月
4月 7月 10月 4月 7月 10月 4月 7月 10月
平成25年1月 平成26年1月
12市町村の合計 町外コミュニティ検討4町 町外コミュニティ検討4町以外の8市町村
■図6-(9)-2 受け入れ避難者数の推移
【要望内容】
〔1〕福島県浜通り地域の復興を支える医療の充実
〔2〕福島県浜通り地域の復興再生を加速化するための民間による新たな宅地供給の促進に向けた税制 の優遇措置
〔3〕いわき市のごみ焼却施設「北部清掃センター」の大規模修繕に係る財政支援
(1) 原子力災害の備え
① 市地域防災計画(原子力災害対策編)の改訂と広域避難計画の策定
市は、平成26(2014)年3月に、「市地域防災計画(原子力災害対策編)」を改訂しました。
本計画は、国が福島第一原子力発電所の事故当時の経過を踏まえた国の原子力施策の見直しを受け、平 成24(2012)年11月に策定された県地域防災計画において、本市全域が、「緊急時防護措置を準備する区 域(UPZ=一般的に原発からおおむね30km)」に指定されたことから、策定が義務付けられたものです。 当初、平成25(2013)年3月13日に暫定版として策定、その後、平成25年度中に、国の原子力災害対策指 針の改訂を見込んだ改訂を予定していましたが、当該指針における福島第一原発の取扱いの基準などが依 然検討中であり、改訂作業が進まない状況にありました。
しかし、本市は原発立地町に近い自治体として、有事の際の初動体制および避難計画を早急に構築し、 第一原発の万一の事故などに備える必要があることから、市独自に第一原発を計画の対象に追加するとと もに、東日本大震災や福島第一原発事故の教訓を踏まえ、地震・津波などの大規模自然災害と原子力災害 との複合災害時の対応の明記、さらには大規模な災害を想定した市外避難、いわゆる「広域避難計画」に 係る基本的な方針等を定め、平成26年3月19日に本計画を改訂しました。
なお、「市広域避難計画」につきましては、県が、平成26年4月30日に「県広域避難計画」を策定・公 表しましたが、具体的な避難先や受入体制の整備などについては、今後、隣接県および県内市町村間の調 整を踏まえ細部の詰めを行い、改訂する予定であることから、市は、その改訂内容を踏まえ、「市広域避 難計画」を策定することとしています。
② 原子力防災訓練の実施
市は、「市地域防災計画(原子力災害対策編)」に基づき、平成25(2013)年度に実施した久之浜・大久 地区における図上訓練に引き続き、久之浜・大久地区及び小川地区において、万が一の原子力災害を想定 した原子力防災訓練を実施しました。
久之浜・大久地区においては、平成26(2014)年9月から11月にかけて図上訓練を実施し、各地区にお ける地域の課題に対する解決策などを検討し、「地区原子力災害避難計画」を作成した後、平成27(2015) 年1月31日に「情報伝達」と「避難誘導」を組み合わせた実動訓練を実施し、図上訓練において作成した
「地区原子力災害避難計画」の実効性を確認しました。(写真7-(1)-1)
また、小川地区においては、同じく9月から11月にかけて、地域の課題の洗い出しを主眼とした訓練を 実施し、各地域における情報伝達や避難誘導などに関する課題の抽出、対応策の検討を行う図上訓練を実 施しました。(写真7-(1)-2)
両地区ともに、地域における防災体制や関係者の役割などについて改めて見つめ直す機会となり、さら なる防災体制の強化を図る契機となりました。
平成27年度においては、小川地区における実動訓練に加え、新たに川前地区及び四倉地区において、 図上訓練を実施することとしており、その後につきましても、順次対象地区を拡大し、図上訓練と実動訓 練を組み合わせながら、実効性のある訓練を引き続き実施していきたいと考えています。